〇〇療法士って何が違うの?

2017年04月08日

 リハビリテーションを行う際に病院や施設で出会う療法士たち。理学療法士、作業療法士、言語聴覚士はいったい何が違うのでしょうか?今日はこの3療法の違いを簡単に説明します。

  画像の犬は関係ありません…(笑)

 まず、リハビリという言葉を聞くと、皆さんは何をイメージするでしょうか?関節を動かしたり、筋力を鍛えたり、歩いたり、そんなイメージでしょうか?

 一般的に皆さんがイメージするリハビリテーションに一番近いのが理学療法かもしれません。病気や障がい、加齢に伴う運動機能の低下に直接的にアプローチをするのが理学療法です。運動機能の改善を図り、寝返りや起き上がり、立ち上がり、歩行などの動作能力の獲得を目指します。理学療法士の有資格者は現段階で14万人程度となっています。

 では、作業療法は何をするのでしょう?作業療法は「作業ができるようにする」専門家です。作業療法の指す「作業」は、人が行う活動の総称で、活動を行う人にとって意味や目的を持ったものとされています。例えば、ご飯を食べる、掃除をする、釣りをする、仕事をするなど、自分にとって大切な作業を再び行えるようにするのが作業療法です。作業療法士の有資格者は7万人程度です。


 理学療法は下肢(脚)のリハビリ、作業療法は上肢(腕)のリハビリと区別されることがありますが、実はそうではありません。僕の知り合いの理学療法士は上下肢、体幹(体の中心部)はもちろん、頚部から顎まで診て、全身のコンディションを整えます。最近では、認知運動療法という療法を取り入れ、脳機能からアプローチする理学療法士も増えています。

 もちろん、作業療法士も機能面に対するアプローチを行いますが、作業ができるように一緒に練習をしたり、方法/やり方を考えたり、環境を調整したりすることの方が割合としては多くなります。実際に作業を行う中で、適応的な手の使い方を促したり、上肢機能の回復を図るというCI療法を取り入れている作業療法士もいます。

 理学療法士が機能面の改善を図り、間接的に生活の改善を図るのに対し、作業療法士は、直接的に対象者の生活の改善を図るのです。 付け加えておくと、理学療法士も作業療法士も対象者の生活を改善することを一番の目的としています。


 最後に、言語聴覚士の仕事はと言うと、主にコミュニケーションの改善や嚥下(飲み込み)機能の改善を図ります。話す、聞く、読む、書くなどのコミュニケーションの改善と代替手段の提案を行います。また、加齢などに伴って増える誤嚥性肺炎などの予防のために口腔ケアを行ったり、飲み込みの練習をします。言語聴覚療法士の有資格者は3万人程度とまだまだ数が少なく、まだまだ訪問リハなど地域で見かけることが少ない職種です。

 日本人の死因第3位に肺炎が入ってきていることからも、言語聴覚士の活躍の場がもっと広がるのではないかと思います。


*リハビリテーションという言葉には、人権を取り戻す/できることを増やすという意味合いがあります。全ての療法士は、対象者が自分らしく生き生きと生活できるように支援します。 


 以上、簡単ではありますが、療法士の違いを説明させていただきました。もっと詳細な情報を知りたい、一度相談に乗って欲しいという方はお気軽にお問い合わせ下さいね。

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