訪問看護ステーションからのリハに制限-訪問リハの行方-

2017年07月13日

 訪問看護ステーションからの看護師等(理学療法士/作業療法士等)による訪問リハへの制限について、検討が始まったとの情報が流れています。今後、訪問リハはどうなるのでしょう。

 最近、訪問看護ステーション開設準備や学会などのため、記事を更新する頻度がかなり減っています。当社もステーション開設に向けて大詰めの段階に入っています。

 さて、先日から訪問看護ステーションからの訪問リハに制限がかかるという情報がインターネット上で流れていますね。ちょうどこの前、記事にした内容の通りになってしまった…と思ってしまいました。

記事:単独型訪問リハビリステーションとは -復興特区での訪問リハ-

 それでは、今回はどのような法改正が行われるのでしょうか。以前行われた制限についても触れながら見てみましょう。


ー現状では詳細は不明ー

 インターネット上では、訪問看護ステーションからの訪問リハに制限が掛かったかのような反応を示している人も少なくありません。しかしながら、現状では、まだ検討段階のため、その詳細は不明です。

 不明確な情報に対して過剰反応をすることは混乱を招くため、良くありません。しかし、今後、どのような制限がかかりそうかという予測をすることはできますし、訪問リハに携わる人間もしくは経営者であれば、制限の予測をしておく必要はあると思います。


ー過去の訪問看護ステーションからの訪問リハへの制限ー

 実は、以前も訪問看護ステーションからの訪問リハに制限がかかったことがあります。すぐにこの制限は廃止されたため、当時介護保険分野で働いていた人でないと、この制限自体を知らない場合もあります。

 制限が掛かるということは、国は何らかの思惑があって実施するわけですから、これについても考える必要があります。

 以前の制限の内容は、看護師等(理学療法士/作業療法士等)の訪問件数が看護師の訪問件数を上回ることに対して制限が掛けられました。訪問看護ステーションからの訪問リハではなく、病院等からの訪問リハを行うように国が促したという訳です。

 また、当時は訪問看護ステーションからの訪問リハはかなり優遇されていました。病院等からの訪問リハに比べ、保険点数が高く、医師の指示期間も長かったのです。5年ほど前に比べ、現在はほぼ変わらない程度になっています。当時を知っている人間からすると、この改定の速さには驚きです。


ー訪問看護ステーションからの訪問リハは行えないー

 インターネット上では、訪問リハは行えなくなるというようなことを言っている人もいるようですが、それはまずあり得ません。2025年に向けて在宅ケアを推進しているにも関わらず、それと矛盾するような働きかけをするとは考えにくいからです。

 万が一そうなるとすると、訪問看護ステーションからの訪問リハではなく、単独型訪問リハビリステーションの設置を認めることになると思います。ただでさえ地域で働く療法士が少ないのに、地域から除外するようなことはないと思います。(以前も書きましたが、作業療法士に関しては、概ね8割近くが医療機関で働いており、地域で働いている人は少ないのです)


ー具体的な制限の予測ー

 これはあくまで個人的な見解に過ぎませんが、制限が掛かるとしたら、以前と同様の制限が掛かるのではないかと考えています。その理由としては、一部の事業所が療法士を大量に抱え込み、訪問看護ステーションをまるで単独型訪問リハビリステーション化していることが挙げられます。

 国は単独型訪問リハビリステーションを特区でしか認めていません。もちろん、多くの療法士が訪問リハステーションの設置を望んでいます。一方で、国が認めていないにも関わらず、訪問リハステーション化している看護ステーションがあるのも事実なのです。

 また、療法士がリハの効果を示すことができていないということも一因だと思われます。医療保険の改正でも病院ごとの評価が厳しくなりました。今後、介護保険でも同様の事業所評価が取り入れられる流れになってきていますので、療法士が結果を示していく必要性は高まっていると言えそうです。ただ、どのような形で国が介護保険事業所にアウトカムを求めてくるかは現段階では分かりません。個人的には、生活行為の向上を更に推進してくると予測しています。


ー質の高いサービス提供が求められるー

 当然のことですが、世の中の流れをしっかりと見ずに、利益だけを求めて療法士を大量に雇い入れているような事業所や結果をしっかりと示すことができない事業所は今後、廃業すると思います。特に、経営者が異業種参入の場合、ステーション管理者がしっかりと運営をしていかないと大変なことになると思います。

 ただ単にサービスを提供する、訪問件数を伸ばすということだけではなく、生活の質をしっかりと改善させる必要があります。そういった意味で、粗悪なサービス提供を行っている事業所に対しては遠慮なく制限を掛けて欲しいと思っています。

 普通に、全うに経営をしている事業所であれば、少し制限をかけられたところで問題はないでしょう。来年の法改正に向けて動向に注目したいですね。

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