作業療法における環境評価と介入の重要性

2020年01月23日

 リハビリテーションにおいて、注目されづらい分野が「環境」への評価と介入です。イメージ的には地味で、本当に効果があるのか分かりづらいと思われがち。一方で、環境への介入は作業遂行を改善する上で効果的だとされています。作業療法士は適切な環境評価と介入によって、「したい」を「できる」に変えるプロフェッショナルだと言えるかもしれません。

 毎年恒例になっている、吉備国際大学での講義を二週間前に終えてきました。講義は「生活環境学」で、私の訪問リハビリの様子を紹介しながら、環境の評価と介入の重要性についてお話をさせて頂きました。


 「環境」は、

  1. 物理的環境
  2. 社会的環境
  3. 文化的環境
  4. 制度的環境

 の4つに分類されます。


 物理的環境は、「物」です。人工物や自然環境などを指します。

 社会的環境は、「人」です。私たちの家族や友人、療法士やヘルパーさんも含まれます。

 文化的環境は、「国や地域の(個人の)考え方」で、社会的環境をより包括的に捉えたものです。

 制度的環境は、自治体や国によって定められた条例、法律などの制度のことです。


 この分類を見るだけでも、環境に対する評価と介入の複雑さと難しさは容易に想像できますよね…

 それとは逆に、環境に対する介入の多様性にも気付いて頂けると思います。


 例えば、手すりを設置することや段差を無くすことは物理的環境への介入ですし、料理をする時に家族やヘルパーさんに手伝ってもらうように助言することは社会的環境への介入、地域や個人の考え方を変えるために働きかけることは文化的環境への介入、医療保険や介護保険などの制度を変えることは制度的環境への介入です。


 講義の中では、教科書「地域リハビリテーション学」(私の執筆箇所)を用いながら教科書に記載された4事例についてご紹介させて頂きました。

 また、実際に自治体に働きかけ、介護保険制度の解釈について協議した経験などもお話しさせて頂きました。


 環境への介入は、ミクロな視点から、マクロな視点まで様々です。本当に多くの介入の仕方があります。

 重度の高次脳機能障害や認知症の影響で、環境を変えることをが必ずしも良い結果に結びつかないという場合もありますが、環境への介入は、作業遂行を改善するための重要な選択肢の一つです。


 しかし、どのように環境について評価をしたら良いか分からないという方も多いと思います。この様なお悩みの方には、包括的環境要因調査票(CEQ)をお勧めします。

 CEQは、吉備国際大学教授の籔脇健司さんが開発された環境評価です。国際的にも注目されている環境要因調査票ですので、作業療法士の方は要チェックです!


 最後にはCEQの宣伝の様になってしまいましたが、環境への介入によって自立支援を行う様子はこちらをご覧下さい。

 しっかりと環境に対するお話しもしていますよ。