自費リハビリへの規制もあるか、四病協は開業に反対

2019年04月18日

 日本病院会、全日本病院協会、日本医療法人協会、日本精神科病院協会の4病院団体で構成 される四病協がリハビリ専門職の開業について反対の方針を明確にしました。理由は、療法士の地域偏在性の助長を挙げていますが、私には療法士を病院から出さないことを目的としているように読み取れます。また、自費リハビリが規制対象となるのではないかと私は危惧しています。

ー訪問リハビリ事業所は認められないー

 まず、開業や開業権という言葉について触れたいと思います。開業という言葉は「保険を利用した事業所の開設」、開業権は「保険請求する権利」を意味します。

 つまり、訪問看護ステーションのように、看護師を人員基準以上揃え、施設基準を満たすことで医療保険や介護保険を利用したサービス提供を行い、診療報酬を得ることができるということを指します。

 しかし、残念ながら現在は作業療法士や理学療法士などのリハビリ専門職が開業することは認められていませんし、これからも認められることは難しいでしょう。

 理由は簡単です、今回認めないことを公表したのですからね。


ー療法士の飽和と地域偏在性の助長の矛盾ー

 記事の中で触れられている療法士の飽和と地域偏在性の助長は若干矛盾しているところがあると感じています。

 療法士の各都道府県の所属者数(会員数)に地域差が大きいことは、協会誌を見れば明らかです。この点は納得できます。

 しかし、療法士が本当に飽和状態なのであれば、都心部以外にも就職先を求めていかざるを得ないのではないでしょうか。

 実際に多くの病院や地域の事業所、施設では療法士を募集しても集まらないという声をよく耳にします。

 また、訪問リハビリ事業所の開業を認めれば、療法士が都市部に流れるということを推察されていますが、人が多いところに人が集まるのは当然のことです。

 現在、診療報酬には地域単価というものが存在しますが、この地域単価は地方であればあるほど低く設定されていることも一つの問題です。

 医療や介護業界のみならず、ビジネスを行うのであれば、人が多く、単価も高い場所に集まるのが一般的ですよね。

 本気で地域偏在性を解消したいのであれば、診療報酬の地域単価や加算体制を見直し、人が少ない地域でもサービス提供が可能な体制(言い方は悪いですが、しっかりと稼げる体制)を整えれば良いだけです。

 四病協の主体は病院。病院内で働く療法士を確保しづらくなると困るというのが本音なのではないでしょうか。


ー自費リハビリも規制対象となり得るかー

 地域に療法士が出て行き、活躍することを私自身は大変嬉しく思っています。しかし、ここで少なからず問題が起き始めているということも事実です。

 私たちが作業療法士や理学療法士を名乗ることができるのは、法令上、予防リハビリを行う時、もしくは医師の指示がある場合です。

 しかしながら、残念ながら整体業で起業し、理学療法士を名乗る方が多く見受けられるようになってきていますし、リハビリセンターを名乗る自費リハビリ施設でも医師の指示を得ていないであろう施設が増えてきています。

 そして、実際に保健所の指導が入るという事例が発生しています。

 この事実は、私たち療法士の未来にとって、とてつもなく大きな不利益をもたらすことに繋がりかねません。自分たちの手で自分たちの未来を壊す行為だけは止めなければなりません。

 法令違反を繰り返す事例が増えれば、確実に規制対象となり、許認可制となるか、廃止に追い込まれることとなるでしょう。


ー地域の事業所では病院以上に人手不足ー

 いつもこのブログに書いていますが、地域で働く療法士はまだまだ少ないのが現状です。

 「病院における質の高いリハビリの提供ができなくなる」ことを日本病院会の相澤孝夫会長は危惧されていますが、「在宅や地域における質の高いリハビリ」は見過ごされても良いのでしょうか。

 では、この大きな課題は誰が解決するのでしょう。

 それは、私たち療法士自身です。

 私は、地域リハビリテーションに興味を持ち、在宅生活支援をする療法士が一人でも増えることを望みます。