専門職は正しい?ー専門性の履き違えに注意ー

2018年05月17日

 医療や介護の分野に限らず、専門職に言われたことはそれとなく「正しい」様に聞こえるもの。一方で、専門職が専門性を履き違えるとクライエントに大きな損失を与えてしまうことにも繋がります。

 「専門職」とは、特定の分野や領域に対して知識や技術のある人のことを指しますよね。一般の人よりも知識が豊富で詳しい人(職業)です。医療・介護の分野で言えば、医師、看護師、理学療法士、作業療法士、言語聴覚士、歯科衛生士、介護士、ケアマネジャー等、多くの専門職を挙げることができます。


ー専門職は正しいかー

 結論から言えば、正しいこともありますし、正しくないこともあります。私は、この前提を踏まえたうえで専門職と関わるということが大切だと思っています。

 企業の業績や株価を予想するアナリストのレーティングもあまり当てになりませんし、療法士よりも遥かに知的偏差値の高い医師だって誤診をすることがあります。プロや専門職と呼ばれる人たちも見誤ることがあるのです。

 専門職が「こうだ!」と言っても批判的に吟味したり、質問することが重要です。質問に答えなかったり、怒ってしまうような人は専門職ではありません。医療・介護分野であれば、すぐに担当を替えてもらう方が良いと思います。


ー専門職には言いづらいー

 特に医療や介護分野では、「お世話になっている」という感覚が強いため、思ったことを言いづらいという方が多くいらっしゃいます。勇気を振り絞って自分の想いを伝えても聞いてくれない、伝わらないとなると尚更です。

 これは、リハビリテーションにおいても多く経験する事柄です。保険を用いたリハビリを行っているが、想いに応えてくれない、行動してくれないということがあり、当社に保険外のリハビリテーションの依頼がくることがあります。これは同業者として悲しい現実です。


ー専門性を履き違えると生き残れないー

 これは個人的な意見ですが、仕事をさぼる人は今後も仕事をさぼり続けます。乱暴に専門性を振りかざす人は、患者さんや家族の話に耳を傾けません。そういった人たちには明るい未来は待っていません。

 理学療法士/作業療法士の数が急激に増え、飽和状態とも言われている時代ですので、そういう人は仕事が無くなることも予想できます。専門性を履き違えると生き残ることができない時代になってきているのです。


ー専門性を活かして協働するー

 これから私たちに求められることは、私たちの専門性を十分に活かしつつ、患者さんやご家族と協働することです。当たり前のことに聞こえるかもしれませんが、同じ方向を向いて、目標を達成する取り組みが大切です。

 私が関わっている脳出血後遺症の方では、退院後に適切なリハビリテーションが実施されておらず、「本当に寝たきりになってしまう」と懸念されていた方がご家族と一緒に外出することができるまでに至りました。

 何を目標として、その目標達成のために何をし、どう取り組んでいくかを話し合い、私たちの知識を用いることで専門性は活かされるのだと思います。

 このことを忘れずに、私も真摯に仕事に取り組みたいと思います。それでは、お昼からの訪問の準備をして元気に訪問して来ます!

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