外出自粛に負けない大人と子どものヘルスケア-作業療法士の視点から-

2020年04月28日

 4月7日の緊急事態宣言から3週間が経過しました。保育園や学校の休校、政府による休業要請やテレワークの推進などで老若男女を問わず、ストレスや体力の衰えを感じやすい状況が続いています。

 今日は作業療法士の視点から「外出自粛に負けない大人と子どものヘルスケア」と題し、日々をより快適に過ごすための工夫を記事にしてみたいと思います。

 毎日、新型コロナウイルス(新型肺炎)報道ばかりで気が滅入りそうになりますね。それに加え、外出自粛で本当に心身ともに疲弊している方も多いのではないでしょうか。

 一方で、外出する必要があったり、運動を行うことで身体機能の維持を行う必要も出てきます。今日は、作業療法士の視点から生活で行える工夫や生活の見直しの提案をさせて頂ければと思います。


ー報道による一般的予防策ー

 マスク、手洗いの徹底は最低限の予防策ですが、3密(密集、密閉、密接)を避ければ外出しても大丈夫だと思われている方も多いようです。

 仕事の移動中に公園の横を車で通ることがありますが、公園によっては、普段よりも人が多く集まり遊んでいたり運動している様子が見受けられます。

 報道による予防策では、ジョギングの場合には10m以上、サイクリングの場合には20m以上の間隔を空ける必要があるとされています。

 皆さんが思っている以上に、飛沫は拡散されています。外での運動の際には、公園などではなく、なるべく人のいない場所を探して運動する方が良いと言えます。


ー生活を振り返ってみるー

 ここからは、作業療法士としての視点でヘルスケアについて書いてみたいと思います。「健康」というのは、より良い状態で過ごすことができることを言います。

 自粛生活を続けていると、心も体も弱ってきてしまいます。そこで、一度振り返って頂きたいのが、自粛前の生活と現在の生活との差です。

 作業療法士は、人と接する際に、人を作業的存在として捉えて、どんな作業をしている時に楽しいか、自分らしさや生きがいを感じるか、人や場所・時間との繋がりを感じるか、役割として感じることができるか、などに着目したり、分析しています。

 自分で簡単にできる振り返り方法として、自粛前の生活を思い出し、朝から寝る前までに行っていることを書き出してみましょう。

 例えば、朝起きて歯を磨く、顔を洗う、髪を整える、トイレに行く、着替えをする、朝ご飯を食べる、お弁当を作る、歩いてバス停まで行く、バスに乗る、会社で同僚に挨拶をする、朝礼の前にコーヒーを淹れる…などなどです。

 そして、今の生活も同じように書き出し、比較してみましょう。


ー作業的不公正を解決するー

 生活を振り返り、自粛前後の「差」が分かれば、その「差」を埋めたり、置き換えたりする必要があるかもしれません。

 作業科学という学問では、したい作業ができない状況や奪われてしまった状況を包括して、作業的不公正と呼びます。この作業的不公正の状態が続くと、心身ともに悪影響が出やすいのです。

 私の場合、日曜日は家族で買い物に行くという習慣がありましたが、現在は外出自粛のため、子どもは買い物には連れて行くことはありません。私か妻が一人で買い物をし、極力人との関わりを避けるようにしています。

 しかし、これは子どもにとっては大きなストレスです。そのため、作業を置き換え、車で人のいない場所に行き、散歩をしたり電車を見たりして過ごします。

 今では、「買い物」というワード(作業)は子どもの前ではNGですが、「ドライブ」という新しいワード(作業)が息子をワクワクした気持ちにしてくれています。

 外出自粛で行えない作業を新しい作業に置き換え、自分にとって意味のある時間を作ることが重要なのです。


ー遊びの中で子どもと触れ合い、体も鍛えるー

 休校やテレワークによって家族の時間が増え、DVも増えているという報道も目にします。確かに、毎日ずっと一緒にいるのはしんどいかもしれません。

 しかし、子どもは親との触れ合いを必要とします。特に小さなお子さんの場合、親子で触れ合いながら遊ぶことが心身の発達に重要です。

 そこで、大人も子どもと遊びながら体を鍛えるという発想に置き換えてみてはどうでしょうか。お互いにストレス発散ができ、楽しく体を動かすことができます。


 例えば、

  • ベンチプレス(仰向けで子どもを抱えて上げ下ろし、飛行機ごっこ)
  • スクワット(子どもを肩車してスクワット、肩車)
  • ダイアゴナル(四つ這いで四肢挙上、お馬さんごっこ)
  • ニートゥーチェスト(下肢挙上による腹筋、滑り台)


 私の息子は、飛行機ごっこと滑り台がとても好きで、滑り台に関しては、寝る前の恒例行事になっています(笑)

 動的な遊びが苦手な方は、お絵かきなど静的な遊びで子どもと触れ合うと良いと思います。今朝は寝起きににんじんを5本描きました。


 今日は作業療法士の視点から、外出自粛に負けないヘルスケアについてまとめてみました。是非、自分の生活を振り返り、作業を書き出してみて下さいね。

 きっと、新しい作業を見つけるきっかけになることと思います。