セラピストの保険と補償内容-事故やケガに備える-
最近、知人からの連絡や会社への問い合わせで理学療法士、作業療法士、看護師が独立したいという内容の相談が増えています。この一週間で3名から相談がありましたので、保険や補償についての記事を書いておきたいと思います。
セラピストの独立に対する関心が高まってきている中、しっかりと事故やケガに備えておく必要があります。日本理学療法士協会や日本作業療法士協会の会員であれば、協会の保険(作業療法士総合補償保険制度など) に介入することができますが、自費領域に関する補償には疑問が残ります。
作業療法士総合補償保険制度には、医師の指示があれば補償されるそうですが、「保険外」のため本当に補償されるかは分かりません。
ー以下、作業療法士総合補償保険制度を一部抜粋ー
Q.医師の指示がない業務についても補償対象となりますか?
A.医師の指示がない業務についても下記の場合は補償対象となります。
①医師の具体的な指示がなくてもその業務が全体として医師の指示によって運営されているとみなせる場合は、補償対象となります。 〈例〉病院や診療所、特養や老健施設での業務で医師の管理下で行っているとみなせる作業療法業務
②その業務が全体として医師の指示によって運用されているとみなせない業務であっても 法令違反ではないと解釈できる下記業務は、補償対象となります。
- 国や地方自治体からの依頼による業務(体操や講義、機能訓練)
- 作業療法に関する講演・指導・教育・臨床研究(健常者に対する研究・実験を含みます。)
- 協会主催の研修・講習会(講義および患者をモデルに使用する作業療法)
- 介護保険事業としてのデイサービス事業
この中では、自費領域での補償については触れられていません。当社では、保険外の自費リハであっても、医師の指示もしくは同意を得るようにしていますが、補償されないと大変なため、個人で保険に入っています。
ー個人で加入可能な保険ー
万が一の時に備えて、個人で加入ができる保険に入っておくことを強くお勧めします。代表的な協会を記載しておきますので、詳細な補償内容等についてはリンク先よりご確認下さい。
それぞれ、補償内容や会費が異なりますので、ご自身に合ったものを選ぶと良いと思います。事故は起こさないことが一番ですが、もしもに備えておくことが重要ですね。
ー契約書を作成するー
また、補償内容を明記した契約書を作成することも必要だと思います。契約書には、利用料などについても記載し、後からトラブルにならないようにしましょう。当社では、訪問看護ステーションの利用契約書をベースにし、不要な部分を削って、自費リハ用の文言を追加しています。
(契約書については、お問い合わせ頂いてもお渡しすることはできませんので、ご了承下さい)
病院を飛び出して地域で働くセラピストが増えることは個人的にとても嬉しいことです。今後、地域を少しでも良くしたいという熱い想いを持った人が活躍できることを期待しています。