リハビリ小説-閉ざされた世界編3-

美宏(みひろ)さん、何かしてみたいことはないですか?
そう尋ねてきたのは看護師の京子(きょうこ)だった。
してみたいことなら、たくさんある。
しかし、この動かない身体では何もできない。
「う~ん、そうだなぁ。パソコンとかできたら面白そう。毎日することないし。」
ベッドから起き上がることもできない私には、普通の人が普通に行っていることすら、夢のようなことである。
『それなら、リハビリでパソコンを使えるように練習してみたらどうですか?』
「リハビリ?家でリハビリを受けることができるの?」
『私たちがお家に来て点滴とか床ずれの看護処置をするのと同じように、リハビリもお家でできますよ。』
『最近、うちのステーションに若いリハビリの人が入職したんです。』
家で寝たきり状態の私にできるリハビリって何だろうと思いながらも、美宏は京子の提案を受けることにした。