リハビリ小説-閉ざされた世界編17-

 寝たきりだけど、買い物や外食をしたい。自分らしく、私らしく生きていきたい。


 今までは何もできないと思っていたけれど、やりたいことを実現できるように挑戦してみたい。


 美宏はブログ仲間からの励ましや、同じ病気の人のブログを読むことで、気持ちが前向きになり、自分にできることを探して挑戦しようという気持ちになっていた。


 心が動けば、体も動くとはよく言ったもので、美宏はすぐに行動に移した。ケアマネジャーやヘルパーさん、作業療法士の久に相談し、外出の計画を立てたのである。


 ヘルパーさんに移動支援をお願いし、リクライニング式車いすをほぼフラットにした状態(倒した状態)にして買い物と外食に出かけた。


 久しぶりに自分の目で見て行う洋服選びはとても心が躍った。


 外食では、最初は周りの人の目が気になったが、多くの人がいる中で食事をすることは、閉ざされた部屋で食事介助されて食べるよりも、断然、食事が美味しく感じた。


 外の世界は本当に素敵。そして、寝たきりの私でも、買い物や外食ができた。美宏は興奮と嬉しさを抱きながらその夜は眠りについた。

リハビリ小説-閉ざされた世界編最終話-


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