リハビリ小説-閉ざされた世界編10-

ブログを始めてすぐに、思いがけない反応があった。美宏のブログにコメントを残してくれる人が現れたのである。
同じ悪性関節リウマチの人、他の病気で闘病生活を送っている人、家族を介護している人と様々な人が美宏のブログを訪れてくれるようになっていた。
何もすることがない、何もする気が起きないと無気力な生活を送っていた美宏の生活に少しずつ変化が生まれていた。
介護を受けていない時間には、ブログの記事を書いたり、他の人のブログを見るようになり、【能動的な時間】を過ごすことが多くなっていた。
一方で、ガラケーを操作する美宏の身体にも少しずつ変化がみられた。美宏は両手でガラケーを持ち、親指でボタンを押していたのだが、親指第一関節付近が腫れ始めたのである。
久は関節に負担がかからないように添え木をしたり、熱可塑性プラスチックで保護する試みを行ったが、対処療法でしかなく、腫れの増強は予防できたが、根本的な改善には繋がらなかった。
「せっかくガラケーでのブログが上手くいっていたのに...」
久の頭を悩ませる日々がまた始まった。